コイン・メダル・バッジ等の金属製品製作にかんする用語集です。
あ行
アラシ
あらし。金属表面に微小な石をぶつけて小さなでこぼこをつけて模様をだす。模様として「あらし」にする場合や表面の光沢をおさえるために「あらし」にする場合もある。金型でコインの地面をあらし模様にすることもできる。
アール
金属製品の曲面や曲線の部分をアールとよぶことがある。うす山。
石目
いしめ。「あらし模様」よりもさらに荒く地面に模様をつける。囲碁の碁石を散りばめたような模様。「金型に石目を打つ」などと表現する。
厚付け
あつづけ。金や銀の厚付け。金メッキや銀メッキを通常よりも厚くつけること。オリンピックなどの金メダルは銀製のメダルに金の厚付けするか金張りで仕上げてある。関連→オリンピックメダル。
薄肉
うすにく。彫刻の肉彫りの肉部分が薄い・浅いこと。日本硬貨(サイズ表)。
か行
金型
メダルやコインや社章など金属製品を製造・量産するための型・原形である。平彫りと肉彫りの2種類がある。金型製作の詳細はこちら。
錺職人
かざりしょくにん。金属の飾り物を細工する職人。鋳造、鍛造、彫金などの金属加工で金属に細工をおこなう。神社仏閣の錺金具や日本刀の鍔の装飾細工など。錺屋。
金張り
きんばり。GOLD FILLED。薄い金の板を真鍮等の地金に熱で貼り付ける。メッキとは異なる。金メッキより厚い。
銀いぶし
銀製品が月日がたって酸化したときにみえる燻しの美しさを表現する仕上げ。高級なメダルや表彰コイン、社章にもちいられる仕上げ。よいものは一枚一枚を丁寧に銀燻しに仕上げる。
コバ
社章やメダルなどの金属製品の側面部分をコバとよぶ。コバを磨いて光沢を出す場合とあまり磨かないで自然な感じを出す場合がある。
ござ目
ござめ。小判の表面にみられる横線の模様。日本の伝統的な模様で鏨(たがね)という道具で打ってゴザ目を入れていく。
さ行
サテーナ仕上げ
横に細い線が無数にはいったヘアラインの仕上げ。サテーナ仕上げの上にメッキをすることで光沢感がおさえられた高級な仕上げとなる。タイピンや財布金具など高級感がでる仕上げのひとつである。
差しメッキ
コインやメダルのロゴ部分などに部分的にメッキすること。地面が銀色、文字部分が金色など。2色メッキともよぶ。関連→金差し
七宝
金、銀、銅、鉄、青銅などの金属製の下地の上に釉薬(ゆうやく:クリスタル、鉱物質の微粉末を水とフノリでペースト状にしたもの)を乗せたものを摂氏800度前後の高温で焼成することによって、融けた釉薬によるガラス様あるいはエナメル様の美しい彩色を施すもの。
赤銅
しゃくどう。金と銅の同衾で金の含有率は3-4%。日本独自の宝飾用の合金。
スターリングシルバー
銀925/1000、銅75/1000の合金。貨幣銀。欧米の銀製品や貨幣などに標準で利用される。
た行
ダムシン仕上げ
ダマシン。中東ダマスカスから伝来したといわれる。本来は鉄肌に布目象嵌をおこない焼きうるしで仕上げる。マットな質感の黒色。世界に広まったが現代では日本など少数の地域でのみ利用される。社章製作ページへ。
ツボ
メダル、キーホルダーなどをつなぎとめる部分。ろう付けで加工する。共ツボとは金型彫刻のさいにつなぎもつくってしまうのでろう付けが必要ない方法。
土台
原型・金型彫刻する鋼・鉄の土台。
な行
なまし
鈍し。堅い金属を火にいれて柔らかく変質させること。
肉彫り
凹凸をはっきりと出し、凸の部分に丸みをつけて立体的に彫る彫刻手法。関連→平彫り。石膏
抜き型
金属製品の外形を切り落とすため、また内側に穴をあけるために使われる型。
ノセコ
異なる仕上げを必要とする製品は、あとで地面に貼り付けるものをノセコとよぶ。
は行
バフ磨き・バフ仕上げ
金属表面をきれいに磨く加工法。皮や布などの柔らかい材質のもの(バフ)に砥粒を付け、このバフを道具で回転させながら金属表面に当てて磨いていく。
板バフとよばれる磨き加工は、地面に平行に当てるため、製品の一番高い部分を磨くこととなる。図ではヘリと文字凸の部分。