10円玉の材料費が10円を超える?足りない分は…?

最近、ニュースや経済誌で「銅(どう)の価格が歴史的な高値を更新している」という話題を目にすることが増えました。

EV(電気自動車)の普及やAIデータセンターの建設ラッシュなど、世界的な需要の高まりによって、銅の価値が世界中で急騰しています。

そこでよく噂になるのが、「10円玉の材料費が、いよいよ10円を超えてしまうんじゃないか?」という疑問です。

今回は、日々メダルや社章の製造で銅や真鍮と向き合っている金属加工の目線から、10円玉の原価のリアルと、オリジナルコイン・メダルの製作コストの仕組みについて分かりやすく解説します。


10円玉の「材料費(金属代)」は今いくら?

まず、私たちが普段使っている10円玉(青銅貨)のデータを見てみましょう。

  • 重さ: 4.5g
  • 材質: 銅 95% / 亜鉛 3〜4% / スズ 1〜2%

10円玉1枚には、約4.28gの純粋な「銅」が含まれています。

銅の国内取引価格(建値)が高騰している現在、10円玉に含まれる「純粋な材料費(金属代のみ)」を計算してみると、1枚あたり約9円〜10円前後にまで迫っています。

「えっ、材料費だけでほぼ10円ギリギリ!?」と驚かれるかもしれません。
しかし、話はここで終わりません!

「10円玉」の原価が「10.4円」に! 心配なのは“メルティングポイント” 「溶かして売ろうとする投資家が…」


「材料費 + 加工工賃」= 実質的にはすでに10円超え!?

金属の塊(材料)をただ置いているだけでは、10円玉として使えませんよね。
そこには当然、「製造コスト(加工工賃)」がかかります。

  1. デザインに応じた「金型(かながた)」の製作
  2. 金属を強力な力で打ち抜く「プレス加工」
  3. フチを立て、表面をきれいに仕上げる「磨き・仕上げ」
  4. 工場を動かす電気代や職人の人件費、輸送コスト

造幣局は膨大な量を一気に作る大規模設備を持っていますが、こうした製造コストまで含めると、10円玉1枚を作るのに実質12円〜13円以上かかっていると言われています。

つまり、材料費だけで見ても限界突破寸前ですが、「ものづくり」として見ると、10円玉はとっくに10円以上のコストをかけて作られている(原価割れしている)のが現実なのです!


「えっ、10円を超えてる分って…僕らの『税金』で払ってるの!?」

ここで一つ、気になる疑問が浮かんできませんか?

「10円の価値しかないものを作るのに12〜13円かかっているなら、その赤字の数円分って、私たちが納めた『税金』から出ているの……?」

結論から言うと、直ちに税金から穴埋めされているわけではありません。

実は、500円玉(製造コスト約30円)や100円玉のように、「製造費よりも額面がはるかに高く、大きな利益が出る硬貨」が存在するため、硬貨全体の発行利益(貨幣発行益)で10円玉の赤字分が相殺される仕組みになっているのです。

とはいえ、造幣局の運営や国の予算には私たちの税金が深く関わっています。
10円玉や1円玉のような低額硬貨の原価が高騰し続けることは、巡り巡って国全体のコスト負担(財政)にズシリと響いてくるのは間違いありません。

普段なにげなくポケットに入れている10円玉一つにも、国家レベルの製造コストと高度な職人技術が詰まっているのです。


だから「10円玉サイズのオリジナルコイン」も10円では作れません

よくお客様から「10円玉くらいの大きさでコインを作りたいんだけど、おいくらですか?」とお問い合わせをいただきます。

前回記事「えっ?10円玉は10円で作れない?」

今回の10円玉の話と同じように、オリジナルのコインや表彰メダル、記念バッジを作る際も、費用は「金属の材料費」だけで決まるわけではありません。

  • ゼロからデザインを起こす「専用の金型代」
  • 100tプレス機で1枚ずつ打ち出す「プレス工賃」
  • メッキ仕上げや研磨などの「職人の手仕事」

造幣局のような何億枚という超大量生産ではなく、100個〜数千個といった小ロットで高品質なコインを作る場合、どうしても初回の金型代や加工工賃の割合が大きくなります。

そのため、「10円玉と同じサイズ」であっても、10円で作ることはできないのです。


まとめ:本物の「価値と重厚感」をお届けするために

10円玉の原価の噂から見えてくるのは、「金属という素材の価値」と「丁寧な加工技術の価値」です。

SAKAMOTOでは、日本の徽章(きしょう)・金型産業の発祥の地である九段下の歴史を受け継ぎ、元々は金型製作を専門としてきた技術力を背景に、新宿神楽坂の自社工房で1枚1枚心を込めてコインやメダルを一貫製造しています。

「手元にある10円玉や500円玉くらいのサイズで作ったら、概算でいくらくらいになるんだろう?」
「実際の金属の重みや質感を手にとって試してみたい」

そんな方は、ポチポチ選ぶだけで目安がわかる「かんたん見積もりツール」や、神楽坂工房でのご来店・対面ご相談をぜひご利用ください!


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